無印良品で買い物をしていたときにふとみかけたこのコピー。 仮にこの言葉が、「処分品」だったら処分されるモノの気持ちになって考えてみると悲しい感じがするし、「お買い得品」だとしても買うときにモノの良さではなく安さに気持ちがいってしまうので、とてもバランスのとれた言葉だなと思います。 もう少し思いを巡らせてみると、世の中にかたちとなってある商品は、誰かの企画からはじまり、商品開発やデザイナーなどがそれをかたちにしたり、生産者や工場の人達がつくり、長い道のりを経て店頭で目の前にあるわけで、たくさんの人達の想いが込められています。 そこに、このキャッチコピーはそのモノや想いに対する気配りが感じられてとても素敵だなぁと感じました。 無印良品では、ほかにも「わけあって、安い」というコピーもありました。これは、素材や生産行程の手間を省き、包装をシンプルにしたりして、 暮らしのなかで本当に必要なものを、本当に必要な形で届けるというもの。見栄えはよくないけど食べたり、使ってしまえばみんな同じ。消費のためにモノが飾り立てられているような世の中で、その関わり方がどうあるべきかを教えてくれます。 「しぜんとこうなりました」 など、無印良品の広告キャンペーンのキャッチコピーは、短い言葉の中にいつも深い意味が込められていて、その哲学に毎回心を動かされますが、こういった現場での小さなコミュニケーションでも徹底した「ていねいさ」を貫くということ。 この積み重ねが芯のあるブランドを形作るのだということに気づかせてくれます。