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Showing posts from September, 2010

次世代クリエイティブを体感、TOKYO GRAPHIC PASSPORT。

TOKYO GRAPHIC PASSPORTに行ってきました。 世界各国のクリエイターのプレゼンテーションや、様々な展覧会やワークショップが開催されていて、自分が何人いても足りないくらい楽そうなイベントが目白押しでした。 数あるセッションの中で、「タイポグラフィーの可能性」と「モーショングラフィックの最前線」というテーマのセッションに参加してきました。 「タイポグラフィの可能性」 このセッションでとりわけ興味深かったのがtomatoのジョン・ワーウィッカー氏のトークで「タイポグラファーは音楽家である」ということ。 人が文字に接するとき、その形によって心の中で生成される言葉の音が様々であるように、音楽も演奏する形態によって様々な音色を奏でるという点から、共通した「音」というものを作り出しているからなのだということを感じました。 文字と音楽。一見関係無さそうに思える事柄を結びつけて考えているワーウィッカー氏の思慮深さに感服。 「モーショングラフィックの最前線」 いろんな意味でダントツで面白かったのがデビッド・オライリー氏。 のっけから「私は馬鹿でなので、通訳の方が知的に訳してくれることを望みます」と発言したり、意味不明な自己紹介スライドの日本語が絶妙な組み合わせだったり、短い映像を流しているあいだに、ふと舞台からいなくなったかと思えば衣装を着替えて意表をついたりと、単にトークしているだけでなく、参加している人を楽しませるというエンタテインメント性の高いトークでした。 作品も他とは際立った世界観をもっていて、想像力の異次元を垣間見ることができます。 また、これからは「組織ではなく個人がクリエイティブシーンを担っていくのではないか」と話されていて、まさにYouTube時代を象徴するクリエイターだと思いました。 展覧会は29日までやっているそうなので興味のあるかたは是非。 新世代の作品群が、凝り固まった思考を爽快に打ち砕いてくれる事間違い無しです。

新宿消火器デザイン考。

新宿図書館から帰る途中に、何やら見慣れないデザインの消火器ボックスがありました。 消火器というと真っ赤なイメージがあるのですが、この消火器ボックスのデザインは白をメインに使っていてあまり消火器らしくない感じです。このくらい落ち着いた感じのほうが景観的には良いのでしょうが、反面いざというときに消火器だということが分かりづらい側面をもっていると思います。 街の景観をとるか、分かりやすさをとるか。そんな事を考えながら歩いていると、1分も歩かないうちに違うデザインの消火器に遭遇しました。 この消火器ボックスは側面に赤の配色がされていて、正面はステンレスのような感じで先ほどのものとはまた違った印象をうけます。 比較して見た時にこのデザインで特徴的な部分は側面に大きく消火器と表示されている点だと思います。 理由として考えられるのが、消火器を探す際は「必ずしも正面から見るわけではない」ということから側面にも分かりやすく表示されているのではないでしょうか。 上部の三角型はどんな意味があるのでしょうか。謎です。屋根のような形をしているので消火器の一戸建てのように見え、ミニマムでかわいらしい感じがします。 今度はどちらの消火器ボックスのデザインが優れているのだろうと考えながら道路を横断しようとしたところ、真っ赤な見慣れたアイツが視界に飛び込んできました。 そう、ここは早稲田通り。 道路を一つ渡ると中野区なのです。 先ほどの新宿区の消火器ボックスが新築のマイホームだとすると、こちらは木造借家のようで少し頼りない感じがします。それでも中野区の消火器ボックスは変わりないようで雨風にさらされながらも今日も元気に直立しているようです。 デザインをよく見てみると真っ赤で従来の消火器らしいイメージで一目で分かるのですが、遠目で見るとポストと見間違えやすい点があるかと思います。 これまでの消火器ボックスのデザインを総合してみると、やはり「赤」という色は欠かせない要素であることがわかります。その中で視覚的に強い赤色を、様々な景観の中でバランスのとれるようにデザインしながら、いかに「消火器がある」という認識をつくりだすかが重要なのではないかと思います。 普段はまったく気にしていなかったのに、ひとたび「消火器」を意識するといろんなデザイン情報が飛び込んでくる。 視点を変える事の面...

AvenirとFuturaに込められた、共通する1つの想い。『30 Essential Typefaces for a Lifetime』

30 Essential Typefaces for a Lifetimeが届きました。 渋谷のLIBROで見て欲しいなと思い、何となくamazonで調べてみたら海外の書店だと新品で半額以下だったので、書店にいながらもamazonで注文してしまいました。 アメリカからの発送でよほど過酷な旅をしてきたのか、新品にもかかわらずカバーがくたくたで、労をねぎらってあげたいぐらい疲れた本でした。まあ、半額以下だったのでよしとします。 本の内容は、世界中で多く使用されている主要な欧文書体の制作背景・主な用途・作品事例が様々なデザイナーのインタビューとともに掲載されています。 Avenir,DIN,Frutiger,Sabon,Times New Romanなどについてまとめられていて、様々な定番書体の背景を理解するのにとても参考になります。 和書だと欧文書体に関する本が限られてくるので、英語を身につけて洋書で知識を広げる事の大切さを痛感します。 この本で面白かった部分は小林章氏のAvenirついての話です。 ・「Avenir」は「Futura」より良いデザインを目指した書体(Futuraとはラテン語で「未来」の意味) ・Avenirはフランス語で「未来」を意味する AvenirはFuturaを出発点とし、共に未来を意味する書体でありながら、より良い未来への想いが込められた書体だということです。 書体の名前の由来を知る事で、また違った視点で関わり合う事が出来る。 知れば知るほど面白い世界ですね。

綾の照葉樹林。

実家の宮崎へ帰省したときに綾の照葉樹林に行ってきました。 この地で一番の目玉といえば綾の大吊橋。 長さ250m・高さ142mの、日本で2番目に大きい歩行者専用吊り橋で、思わず脚がすくんでしまうほど高くて長いのですが、その怖さを乗り越えてまでも観る価値のある絶景が目の前に広がっています。 視界に収まり切らないほど壮大な自然は、何となくジブリの原風景を見ているようで、不思議な気持ちを思い起こさせるものがあります。 普段はMacの前にへばりついて仕事をしていることが多く、どうしても視野が狭くなってしまいがちなので、自然の中で五感を刺激できる体験はとても貴重で、心地良いリフレッシュになりました。 宮崎へ観光に行かれる方はコースに入れて間違いなしのおすすめスポットです。