先日のApple Keynote 「Let’s us loop you in」では、あまり大きな変化が無く少し拍子抜けした感じであった。特にiPhone SEの形状は代わり映えすることがなく、iPhone 5sを使っているユーザーにとっては新鮮味に欠ける感じだ。 しかし、iPhone SEをこれまでのアップルがプロダクトを世の中に送り出してきた歴史の中で捉えてみると、変わらないということそのものが価値であるということが見えてくる。 新しいデザインを生みだすことで評価されてきたAppleが、あえてデザインを変えないということを選択しているのは何故だろうか。 一貫したデザイン言語をつくる。 Appleのデザインは一度決められたコンセプトから大きく変えることはしない。素材であれば Snow white や Anodized aluminum 、GUIであれば Aqua や Brushed-metal など、一貫したデザイン言語のなかで洗練を繰り返している。少しづつ変わりながらも、一貫性を保つことで人々の記憶に残りやすく、親しみの感じられるデザインとなっている。 MacBook Airの歴史。数年単位でデザインの変更がされている。外観のデザインは大きく変わることはなく、つねにAirらしさを保っている。 (minimallyminimal.com) 反面、他社製品の多くはデザインのライフサイクルが短く、中身や機能に差がなくても外観だけをすげ替えることで需要につなげようとしているものばかりである。 デザインの役割は単に外観を美しく整えるだけではなく、一貫したデザイン言語のもとに体験を洗練させていくことの方が需要であることを示している。 1985年に発売されたBabyMac。Appleでは「Snow white」というデザイン言語のもと、ハードウェアからGUIに至るまでデザインを一貫させることで、Appleのコンパクトでクリーンなイメージを作り上げる土台となっていた。 (derstandard.at) より社会性を意識したデザインへ。 iPhoneのデザインはもはや製品そのものにとどまらず、サードパーティを含めた経済システム、ひいては地球環境にまで関わっている。 CNBC によると、今やケースなどを含め