「インセプション」を新宿バルト9で観てきました。
評判通り非常に面白かったので簡単なあらすじと感想を記しておくことにします。
「インセプション」とは人の夢の中に入り込んでアイディアを植えつけること、そうすることで対称の意識や人格を変えてしまうことです。
他人の夢の入り込んで情報を盗んでいる主人公のコブ(レオナルド・ディカプリオ)に、大企業のトップであるサイトー(渡辺謙)がライバル会社を解体させるため、コブとその仲間とともに、ライバル会社の命運を握った息子の潜在意識へと潜入していくというストーリー。
この映画でキーとなるのが現実と夢との時間のシステムです。現実世界での5分は夢の世界では1時間となり、夢の階層をおりるごとに時間が12倍に引き延ばされていく、ドラゴンボールで言えば「精神と時の部屋」、一般的に言えば「浦島太郎」のような感じです。このシステムが巧みに利用されていることで映画の緊張感が一層引き立てられています。
はじめの方は「上の階層」「トーテム」などいくつものキーワードが散りばめられていてよくわからない感じなのですが、ストーリーを追うごとに「なるほど」と思わせる形で明かされていくので観客を全く飽きさせないしくみになっています。
なかでも、一番印象的だったのが、夢の中では夢を作り上げている自身が思った通りに世界を設計できるという設定で、コブがアリアドネ(エレン・ペイジ)に実際に夢の設計について説明しているシーンで不可能世界を可能にし、自由に動き回る様はアーティスティックな感じでマトリックス以来の新鮮な世界観でした。
ダークナイトで評判の高かったクリストファーノーラン監督の最新作なだけに話題性が高く、期待の高まる映画ですが、面白いの一言で片付けてしまうのはもったいないくらいに観れば観るほど様々な視点や発見がありそうな程イマジネーションに富んだ映画で、久しぶりに何度も観たいと感じさせてくれる映画でした。