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シンプルさと一貫性。

Google+にはじまり、じわじわとサービスのデザインを向上させているGoogle。
先日Gmailやリーダーもデザイン変更になり、シンプルでとても使いやすくなった感じがします。

Googleの公式ブログによると、今回のデザインは「Google のサービスをよりシンプルで一貫性のあるものに変更しています。」とアナウンスしており、言葉通りにシンプルさによって見やすくて使いやすいデザインが実現されていると感じます。

では、具体的にどういったところが「シンプルで一貫性のあるもの」なのか、デザインが変更された主要なAppsである、Gmail、カレンダー、ドキュメント、リーダーのデザインを分解し、それらをまとめてみることでシンプルで使いやすいインターフェイスの理由に迫ってみたいと思います。


1.構造の一貫性
アプリケーションの構造が、メニューバーは上部、情報のカテゴリはサイドバーに、メインの情報は右中心にかならず構成されていて、全体を通して同じ構造になっています。
これによって、アプリケーション間の切り替えに戸惑うことなく、スムーズに操作が行えるようなデザインになっています。


2.配色の一貫性
モノトーンをベースとした配色に、操作している時に一番重要とされる要素が、配色の中で一番目立つ色であるオレンジ色になっています。
他にも検索ボタンの部分は青色で統一されていたりと、全体の中で色の意味が統一されています。
配色における選択と集中が効果的になされていて、重要とされる要素が一瞬で認知できるようなデザインになっています。


3.アイコンの一貫性
フラットで色数が抑えられていることによって、小さなスペースでも高い視認性を持ち、アイコンがたくさん表示された場合でも互いの要素を干渉せず、全体での調和がとれるようなデザインになっています。
正直、アイコン単体では何を表しているのか分からない位シンプルすぎるかと思いますが、コンテクストに沿った形で配置された時に、最小の表現で最大の効果をもたらしてくれています。


4.状態表示の一貫性
ステータスが変更されたときに、必ず上部に同じ様なデザインで表示されるようになっています。一貫した表示方法によって、変化が起きた事を確実に知らせ、システムに対するユーザーの信頼性を高めることにつながっています。


5.レイアウトの一貫性
Googleカレンダーでは、ウィンドウのサイズを変えても見た目の構造が変わらない様に設計されています。他にも、サイドバーのメニュー間隔がサイズに応じて変わったりと、一貫した柔軟性によって、使用環境が変化した場合でも、慣れ親しんだ形で使う事ができるようになっています。


6.操作の一貫性

選択できる要素が階層化されている部分はすべて三角の矢印で操作できるようになっており、階層化されたメニューの存在を一貫した表示にすることによって、全体を通してオブジェクトの意味するものが直感的に理解しやすくなっています。

以上の点から、分かることをまとめてみると…

  • 色や形に一貫した意味を持たせることによって、表示されているものの意味が理解しやすいものになる。
  • 構造・レイアウトを一貫させることによってユーザーの学習を容易にし、効率的で使いやすいものになる。

シンプルで使いやすい理由。
それは、煩雑になりがちなアプリケーションの画面・操作体系に一貫性をもたせてまとめ上げることで、結果としてシンプルになり、機能としての美しさが際だったデザインに仕上がっているからではないかと思います。

Web上でのビジュアル表現手法が豊かになり、Appleなどが現実世界のメタファを重要として要素を付加してきているのに対して、GoogleやMicrosoftのデザインはどんどんそぎ落とされてシンプルでミニマムなデザインになってきています。
これからインターフェイスのデザインはどちらへ向かうのか、とても興味深いですね。




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