twitterを見ていたら、トレンドになるぐらい楽天Edyのロゴがダサいと話題になっていて、関連ツイートを眺めているとネガティブな意見がほとんどで、ポジティブな意見は皆無に等しい状態で少し驚きました。
通常のプロセスであれば、多くの案と人の判断を経て絞り抜かれているはずのロゴが、なぜこれほどまでに評判がよくないでしょうか。
単純に否定的な言葉だけで片付けてしまうのではなく、デザイナーとしてその理由を考えてみたいと思います。
■定着している楽天への否定的イメージ
時はさかのぼること2009年の8月。楽天グループにイーバンク銀行が入った際に、手数料など多くの改変が行われ、それが既存ユーザーにとってはデメリットになるものばかりで「改悪」というイメージが定着してしまいました。
今回のEdyも2009年に連結子会社化したビットワレットを楽天が完全に取り込んでいくような形で、既存ユーザーがイーバンク時代の改変の悪夢を思い出してしまい、脊髄反射的に否定的な意見がでてしまっていることから、デザインも余計に良く見えてこないのではないかと思います。
■ロゴ同士のバランス
それぞれのロゴの大きさや色のバランスが同じレベルになっているからか、「楽天」なのか「Edy」なのかどっちつかずで、両者がつばぜり合いをしているような感じがします。
こういった部分に関してはクライアントの思惑や政治が多く絡んでくるので、デザインレベルではどうしようもなくなってきてしまうのですが、せめて色だけでも統一できればもう少しバランスのとれた感じにみえたのではないかと思います。
■文字そのもののバランス
新しくなったEdyのロゴそのものが、やや左によっているように見えるせいか、それが不安定なイメージを想起させて、ネガティブな意見につながっているのではないかと思います。
その理由を探るために、ロゴを分解して観察してみたところ、具体的に大きく3つほど気になった点がありました。
1つ目は「E」の右端のラインがピッタリとそろった状態になっているので、錯視が働いて真ん中の線が飛び出ているように見えることです。
通常はこの錯視を避けるために真ん中のラインを少しだけ左にずらすような処理を行うのですが、文字を構成するルールとしてシステム的な思考や数値を重視されているということなのかもしれません。
2つ目は「d」の上部がキャップハイトのラインからはみ出ていて「E」のラインと揃っていないためにアンバランスさに拍車をかけているという点です。
書体によってはキャップハイトのラインからはみ出ていているものとそうでないものと色々あるのですが、この場合は上にある楽天ロゴへの干渉を防いで統一感を出すために、Eのラインと揃えたほうがスッキリ見えるのではないかと思いました。
3つ目は「y」の1画目がベースライン付近で終筆していないためか、浮いたような存在になっている点です。
文字のエレメントはベースラインに揃っていることで、水平に目線がスムーズに動いて見やすくなるものなので、その規律からあえて逸脱しているということは、「y」の文字に「ルールに囚われない」とかいったような、何か特別な意図があるのかもしれないです。
考えて分かったことをまとめてみると…
以上、色々と考えてみましたが、口だけ達者になっても仕方がないので、これまでの考えを踏まえて、現在のロゴが持つエッセンスを残しつつもバランスを調整してみました。
これはあくまで1人の狭い思考における、1つ結果にしかすぎないので正解であるとは全く言えません。
考えてみて大切だと感じた事は「デザインに正解は無い」とよく言われるように、何故そうなっているかを考えて自分なりに答えを出してみること。
そうすることで、簡単な言葉で片付けられてしまいそうなデザインも、その裏に潜む論理まで見えてきて、たくさんの気付きを得ることができると思います。
通常のプロセスであれば、多くの案と人の判断を経て絞り抜かれているはずのロゴが、なぜこれほどまでに評判がよくないでしょうか。
単純に否定的な言葉だけで片付けてしまうのではなく、デザイナーとしてその理由を考えてみたいと思います。
■定着している楽天への否定的イメージ
時はさかのぼること2009年の8月。楽天グループにイーバンク銀行が入った際に、手数料など多くの改変が行われ、それが既存ユーザーにとってはデメリットになるものばかりで「改悪」というイメージが定着してしまいました。
今回のEdyも2009年に連結子会社化したビットワレットを楽天が完全に取り込んでいくような形で、既存ユーザーがイーバンク時代の改変の悪夢を思い出してしまい、脊髄反射的に否定的な意見がでてしまっていることから、デザインも余計に良く見えてこないのではないかと思います。
■ロゴ同士のバランス
それぞれのロゴの大きさや色のバランスが同じレベルになっているからか、「楽天」なのか「Edy」なのかどっちつかずで、両者がつばぜり合いをしているような感じがします。
こういった部分に関してはクライアントの思惑や政治が多く絡んでくるので、デザインレベルではどうしようもなくなってきてしまうのですが、せめて色だけでも統一できればもう少しバランスのとれた感じにみえたのではないかと思います。
■文字そのもののバランス
新しくなったEdyのロゴそのものが、やや左によっているように見えるせいか、それが不安定なイメージを想起させて、ネガティブな意見につながっているのではないかと思います。
その理由を探るために、ロゴを分解して観察してみたところ、具体的に大きく3つほど気になった点がありました。
1つ目は「E」の右端のラインがピッタリとそろった状態になっているので、錯視が働いて真ん中の線が飛び出ているように見えることです。
通常はこの錯視を避けるために真ん中のラインを少しだけ左にずらすような処理を行うのですが、文字を構成するルールとしてシステム的な思考や数値を重視されているということなのかもしれません。
2つ目は「d」の上部がキャップハイトのラインからはみ出ていて「E」のラインと揃っていないためにアンバランスさに拍車をかけているという点です。
書体によってはキャップハイトのラインからはみ出ていているものとそうでないものと色々あるのですが、この場合は上にある楽天ロゴへの干渉を防いで統一感を出すために、Eのラインと揃えたほうがスッキリ見えるのではないかと思いました。
3つ目は「y」の1画目がベースライン付近で終筆していないためか、浮いたような存在になっている点です。
文字のエレメントはベースラインに揃っていることで、水平に目線がスムーズに動いて見やすくなるものなので、その規律からあえて逸脱しているということは、「y」の文字に「ルールに囚われない」とかいったような、何か特別な意図があるのかもしれないです。
考えて分かったことをまとめてみると…
- ロゴデザインに対する評価は、デザインそのものの造形的な印象よりも、企業のもつブランドイメージによって評価が左右されてしまう場合がある。
- 異なる要素をもつデザインを組み合わせる際は、どちらかが歩み寄って方向性を揃えていかないと全体で見たときにバランスがくずれて見える場合がある。
以上、色々と考えてみましたが、口だけ達者になっても仕方がないので、これまでの考えを踏まえて、現在のロゴが持つエッセンスを残しつつもバランスを調整してみました。
これはあくまで1人の狭い思考における、1つ結果にしかすぎないので正解であるとは全く言えません。
考えてみて大切だと感じた事は「デザインに正解は無い」とよく言われるように、何故そうなっているかを考えて自分なりに答えを出してみること。
そうすることで、簡単な言葉で片付けられてしまいそうなデザインも、その裏に潜む論理まで見えてきて、たくさんの気付きを得ることができると思います。