いきなりのGoogle+デザインリニューアルで思ったこと。
Web上での行動起点が、検索からソーシャルへと台頭しつつある中で、グーグルは実験的プロジェクト「Google Labs」を閉鎖したり、広告収入に重点をおくようになったりと、検索で一時代を築いていたときの様なイノベーティブな存在感が薄れつつあると言われています。
しかし、ここにきてユーザーへの有無を言わさない潔いリニューアル。
そこにソーシャルにおけるGoogleの自信と本気度がうかがえるように思います。
これまではYoutubeボタンが追加されるだけだったりと、微妙かつ段階的な変更を続けていましたが、一気にリニューアルをして、その潔さとデザインのコンセプトが一貫していて、いよいよ本気を出して来たなという感じがします。
では、具体的にどの部分にGoogleの本気度が感じられるのか、大きく気付いた点をまとめてみました。
ナビゲーションが本気
comScoreの調査によると、Google+の月間あたりの滞在時間はわずか3.3分。Facebookの450分と大差がつけられており、WSJ紙にも「Facebookに比べるとGoogle+はまるでゴーストタウン」と言われるほどでした。
その中で「滞在時間をいかにして増やすか」という課題に出した答えが、ナビゲーションに重点をおいてデザインを設計する事で、共有、ビデオチャット、ゲームなどのソーシャル上における主要な行動すべてをGoogle+で完結できるように見せる、ということだったのではないかと思います。
ボタンの大きさや間隔にはじまり、カスタマイズ性やそのアニメーションなど、かなり綿密にデザインされていて、ユーザーの滞在時間に対する執着の本気度が読み取れます。
親切さが本気
リニューアル後はじめてアクセスすると、使い方ガイドなるものがでてきて、これでもかというぐらいに丁寧に説明してくれます。
説明を細かく分けたステップ式にして、さらにその該当箇所をフォーカスして見せるような仕組みにしていることで、初心者のユーザーでも迷わずに理解できるようになっています。
このことから、サービスを徹底的に分かりやすく親切なものにして、あまりソーシャルを活用していないような層も取り込んで、さらなるユーザー層の拡大を図っていくという積極的な姿勢が感じ取れます。
ディテールが本気
アイコンの微妙な色表現や、同じように見えるパーツ同士の細かな違い、マウスオーバーしたときの変化など、目を凝らして細部の色んな点を見てみると、これまで以上にディテールにこだわってデザインされていることが分かります。
パッと見では分からなくとも、無意識下ではそれらの差異を感じているもので、ユーザーにそれらの違いを感じさせつつも主張しすぎないという、絶妙にバランスのとれたデザインになっていて、そこからデザインへのこだわりの本気度が伝わってきます。
シンプルさと美しさを追求しながらも、使いやすさと親しみが感じられる、その信念が全体を通して感じられる今回のリニューアルデザインを見て、アインシュタインが語っていた言葉を思い出しました。
"何事もできるかぎり単純化しなければならない。ただし、必要以上に単純化してはならない。”
—アルバート・アインシュタイン
Facebook、Twitter、Google+のソーシャル三つ巴戦。 このままFacebookが逃げ切るのか、Googleが巻き返すのか、それとも全く違うサービス台頭してくるのか、ソーシャルプラットフォームで覇権を制するのは果たしてどのサービスなんでしょうか。